2011年10月10日月曜日

「米国製エリートは本当にすごいのか?」


「米国製エリートは本当にすごいのか?」を買ってみた。今でもビジネス本ランキングで比較的上位の本。エリートというか、日本の指導者たちは何故こんなにふがいないのか。そういう疑問があったので読んでみた。


ただ、読後感としては題名のつけ方がうまいだけで内容はそんな対したことがないというか薄っぺらい。特に留学経験がある分まあそうだよねくらいの印象。


以下まとめ。


 まず米国は官民交流や転職文化が大きいですね。やっぱり最初から適性にあった人
ばかりじゃないし、人間は成長するので化けてから実力の発揮できるポジションへ
いけばいい。


民間で揉まれて経済感覚や交渉センスをもった人間が、国の一線の舞台でやれる土壌
を日本もつくるべしと感じました。


米国は封建時代を経験してないので、エリート形成で日本と大きな違いがあります。
日本や欧州は武士や貴族が商人を統治するという伝統がありますが、米国にはありません。


どうしても経済エリートが地位や名声も手に入れて君臨してしまいます。そのため
ハーバードの卒業生の48%(2007年)が金融&コンサル業界へ就職します。


拝金主義といえばそれまでですが、その後の官民交流で政治エリートの財務長官へ
転進できたりします。


一方で日本は法学部出身者が中央官庁や政治家の多くを占めます。米国のエリートが
経済学部へ行くのと違いがあります。そのため成長後に一線で国のかじとりをする
人たちに経済音痴が多い。日本の金融政策や財務政策の無能ぶりは目を覆うばかりです。




 次に、大学教育にも大きな違いがあります。
世界大学ランキング(総合)のBEST5はすべて米国で上から順に、
ハーバード、カリフォルニア工科、MIT、スタンフォード、プリンストン。


インプットとアウトプットの量がとにかく多い。学部生で最低480冊(120冊/年)
の本を読まされるようです。しかも流し読みが効かない固い本です。


百本ノックのように次から次へ、読書、レポート、プレゼンテーションの課題が降って
くるので否が応でも知的筋力がつくとのこと。


朝生テレビが生産的でないのは、共通の知識土台を持ってないので議論が
かみ合わないことが原因ですが、米国の大学は宿題でみんな同じ本を読んだ
上で議論を戦わすので、知識の整理、発信能力が高まります。


成績評価は大学も商売なので案外甘く、ハーバードで4年内に9割卒業、
スタンフォードで95%が6年内に卒業だそうです。成績評価も不可の
ひとつ上の可は全体の1割で、優&良が大半との事。それでも日本の大学のように
試験さえ受けて、ある程度出席さえしとけば卒業させてくれる(とくに文系)
との比較はできないとは思いますが。

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